
幻創里見八犬伝
Project EIGHT ∞ 桜井飛一
あまねく泡影
うちまもる水
あめつち結びて
終古を流るIZUHI
水の恵み豊かな島国、偉珠日。
古の神々によって造られたこの國に生きるすべての人々は
かつて皆等しくその加護のもとにあった。
この國を満たす清らなる水に人々は神々への祈りを託し
神々の守りもまた水の巡りのようによどみなく続いた。
─神世が裂かれるその時迄は。
息吹を潜める神々
争い 怨嗟
繰り返される戦いの中
現し世に遺された八つの光明は
やがて八人の勇士に宿り
その光の傍らで
邪なる影もまた 隆盛の時を狙い伏していた──
古の神々によって造られたこの國に生きるすべての人々は
かつて皆等しくその加護のもとにあった。
この國を満たす清らなる水に人々は神々への祈りを託し
神々の守りもまた水の巡りのようによどみなく続いた。
─神世が裂かれるその時迄は。
息吹を潜める神々
争い 怨嗟
繰り返される戦いの中
現し世に遺された八つの光明は
やがて八人の勇士に宿り
その光の傍らで
邪なる影もまた 隆盛の時を狙い伏していた──
─ 世界 ─WORLD
水満ちる國
偉珠日 IZUHI
古くは出珠留日『いずるひ』、
または訛って『いずるい』と呼ばれていたが、
時代が移って偉珠日『いずひ』が正式名称となる。
戦乱続きの荒んだ時代を経て
領土争いは徐々に収束を見せ、
地域によっては和平に向けて
団結する動きも芽生えつつある。
または訛って『いずるい』と呼ばれていたが、
時代が移って偉珠日『いずひ』が正式名称となる。
戦乱続きの荒んだ時代を経て
領土争いは徐々に収束を見せ、
地域によっては和平に向けて
団結する動きも芽生えつつある。
水と人々
島国・偉珠日を満たす水は人々にとって特別な意味をもつ。
地域により様相を異にしつつも水神信仰が全国的に根付いており、
天から降る雨、山から染み出す滝、川、
流れを留める池、湖、列島全体を包み込む海、
すべての水が偉珠日の命を巡らすことを
多くの人々が日頃から意識している。
進行や耕作を通して、水は人々の暮らしに
密接に関わっている。
地域により様相を異にしつつも水神信仰が全国的に根付いており、
天から降る雨、山から染み出す滝、川、
流れを留める池、湖、列島全体を包み込む海、
すべての水が偉珠日の命を巡らすことを
多くの人々が日頃から意識している。
進行や耕作を通して、水は人々の暮らしに
密接に関わっている。


神話と八角形
偉珠日創生の神々の伝承は、誰もが一度はこどもの頃に
聴かされるお伽話のひとつとして親しまれている。
神話の中で神々は八つの教えを人々に伝えており、
八という数字に対する特別な意識から生まれた八つの節目を
持つ図形は偉珠日の人々の暮らしの中に浸透している。
こと正八角形はごく一般化された形であり、持ち主の信心に関わらず
鏡や桶など様々な生活用具にその形が見られる。
聴かされるお伽話のひとつとして親しまれている。
神話の中で神々は八つの教えを人々に伝えており、
八という数字に対する特別な意識から生まれた八つの節目を
持つ図形は偉珠日の人々の暮らしの中に浸透している。
こと正八角形はごく一般化された形であり、持ち主の信心に関わらず
鏡や桶など様々な生活用具にその形が見られる。
─ 習俗 ─CUSTOM
幼名
生まれてから八つになるまでは
『現し世に定まらぬ身』、
即ち神の世と人の世の狭間にある不安定な命と
考えられており、八つを越えずに早世するこどもが
少なくない偉珠日では、その年を越えられるよう
願いを込めたまじないとして、親は子に幼名を授ける。
無事八つを越えられると『現し世で生きる者』として
一人前となり、正式な名を改めて決定するが、
幼年期を守ってくれた幼名もまた大切に残し、
姓・名・幼名と連ねた表記を『本名』とすることで
その生涯の多幸への祈りとしている。
『現し世に定まらぬ身』、
即ち神の世と人の世の狭間にある不安定な命と
考えられており、八つを越えずに早世するこどもが
少なくない偉珠日では、その年を越えられるよう
願いを込めたまじないとして、親は子に幼名を授ける。
無事八つを越えられると『現し世で生きる者』として
一人前となり、正式な名を改めて決定するが、
幼年期を守ってくれた幼名もまた大切に残し、
姓・名・幼名と連ねた表記を『本名』とすることで
その生涯の多幸への祈りとしている。

